「 数 字 が 良 け れ ば 良 い 会 社 」と い う 幻 想 を 捨 て よ う
Co-founder藤田勝利の最新本「ノルマは逆効果 〜なぜ、あの組織のメンバーは自ら動けるのか〜」
本日は書籍の第1章「「自分ごと」に なってい な い目標 はす べ て「 ノ ル マ 」 」より一部抜粋して「マネジメントの基本と原則」についてご紹介します。
そもそも「ノルマ」って何?
「ノルマ(ロシア語: 、ラテン文字転写 )とは、半強制的に与えられた労 働の基準量であり、大抵の場合時間的強制も付加される。」( ウィキペディアより)
ずいぶんおどろおどろしい定義です。第二次大戦以後、シベリアに抑留された兵士 たちによって、『ノルマ』という言葉が日本に入ってきたと言われています。シベリ アにおいては「必要最低限こなさねばならない労働量」という意味でこの言葉が使わ れていました。この定義を見るだけでも、その苦役の過酷さや痛みが伝わってきて胸 がしめつけられる思いです。
しかし、この定義は、本当に「過去」のものでしょうか。この「半強制的に与えら れた労働の基準量」は現代の多くの企業にいまだに根強く残っています。
もちろん、 シベリア抑留の時代とは状況は異なります。飢えや寒さもないかもしれません。
しかし、「会社で保証(社員としての安定、社会的ステータス、少しでも良い査定やボーナス)を得 るために、果たすことを強要される義務」は多くの会社に残り、人の働きがいや主体 性を著しく奪っています。
「 数 字 が 良 け れ ば 良 い 会 社 」と い う 幻 想 を 捨 て よ う
「いかに余儀なく見えようとも、またいかに風潮になっていようとも、基本と原則に反するものは、例外なく時を経ず破綻する」(ドラッカー 『マネジメント』より)
「しかたないから、やるしかないから」、あるいは「これをやっている会社が多いか ら」といった理由が仮にあったとしても、その施策がマネジメントの「基本と原則」 に反していると、遅かれ早かれその組織は崩壊するという意味です。ここでいう「基 本と原則」とはどういうことでしょうか。
それは、会社というのはあくまで人とその 情熱、協力し合うチームワークで成り立つものであり、人は機械のように仕事を「や らせる」対象ではなく、活かして、自ら良い仕事をしたいと動機づけていく対象だと いうことです。
人を過度な「数値管理」で縛ることは中長期的には必ず破綻に繫が る、とドラッカーは警鐘を鳴らしています。
(全て書籍より抜粋)