Transform Step 3を受講して〜 今まで歩んできた道のりを見つめなおし、新しい成長パターンを創造していく 〜

Transformのプログラムに参加することで、どのような影響を受け、どのように変わったのかは人によってそれぞれです。参加者の人数分だけの気づきや、その気づきによってもたらされた選択肢の広がりや行動変容があります。

では、あるフリーランスライター(女性、40代)には実際どのような変化が起きたのでしょうか。

Transform Step 3 ~What’s next?:人生の変化と向き合い、前に進む~』に参加してリアルに感じたこと、そしてその後どのように変われたのかを具体的にレポートしてもらいました。


目次


変化の普遍性

「VUCAの時代」(変動性=Volatility、不確実性=Uncertainty、複雑性=Complexity、曖昧性=Ambiguityを併せ持つ時代、という意味)と言われて久しい。けれども、よくよく考えてみると、命の営みそのものがVUCAをはらんでいるのであって、わたしたちの人生の中で変化が起こらないことなど逆にありえない。

ドラッカー・スクール准教授でTransform共同代表のジェレミー・ハンター氏は、この人生の常である変化=Changeを「外的なもの」と定義する。対して、その変化に対応していく「内的なもの」は変化=Transition(トランジション)として区別している。

ジェレミー氏いわく、トランジションとは「あなた(もしくはあなたの組織)が何者であるかという物語が変わること」だ。TransformのStep 3プログラムでは、この内的な変化にこそ焦点を絞り、セッション中のグループワークと同じぐらい(もしくはそれ以上に)セッション外で自分自身と向き合う作業を行なった。

Transformチームのサポート力

自分自身と向き合う作業は、ややもすれば孤独でストイックになりがちだ。また、実際に自分探しの旅に出た経験がある方ならばわかっていただけると思うのだが、いくら自分を変えようとしても、無自覚な思いこみや、思考のクセや、パターン化された評価基準などが邪魔をして、それらが作り出している「箱」から抜け出せずに終わってしまうことも多い。

その点、TransformのStep3プログラムでは全セッションを通してジェレミー氏、そしてTransform共同代表の稲墻氏、ファシリテーターの園田氏、千葉氏の3人のメンバーが伴走してくれた。彼ら・彼女らのおかげで、エモーショナルになりがちだったわたしも日常生活に支障をきたすことなく自分の内面を見つめなおすことができた。ジェレミー氏はじめメンバー全員がかつて同じ道を歩んできた実践者でもあるからこそ、彼らの言葉は的を得ていて、説得力がある。

思うにTransformの最大の魅力はこのサポート力にある。メンバーそれぞれが参加者の喜びも憂いも自分ごととして捉え、受け止めてくれる。それと同時に、必要があれば個別に話を聞き、俯瞰的な立場から問いを投げかけ、自分の箱の外へといざなってくれるのだ。

Transformは単に癒しを提供しているプログラムではない。むしろ、具体的に結果を変えることにコミットしている。そのために、Step 1とStep 2では様々なセルフマネジメントスキルについて学び、実践し、習得する。

生理学的なフレームワークに則ったレジリエンスゾーン(レッド・グリーン・ブラック)について、また感情の仕組みや、瞬間的に起きる様々な反応をどうマネジメントするかを学ぶ。「IRマップ」というツールを使いこなせるまで繰り返し練習するうちに、思い込みがどのように自分の中に作られ、無意識のうちにパターン化されているかが見えてくるようになる。

そして、いよいよStep 3ではこれらのスキルを総動員して過去の自分と向き合い、新しい選択肢を生み出していくのだ。

たとえこのようなセルフマネジメントのノウハウがあったとしても自分ひとりでは成し遂げられないようなトランジションを、チームが支えてくれたからこそ達成できたように思う。

内的なシフトを見つめなおす

前述のとおり、Step 3では内的な変化であるトランジションにとことん向き合った。ジェレミー氏はトランジションをあらゆる尺度で取り上げ、外的変化に対応していく方法を体系的に教えてくれた。

例えば、セッション毎にまずは「Good and New」をお互いに共有し合う。最近どんな「良いこと」が起こったのか、そしてその出来事がどのように自分の内的な変化をもたらしたのかを、参加者同士で語り合う。

残念ながら、人は嫌なこと、ネガティブなことについ意識を向けてしまいがちなのだそうだ。さらに残念なことに、この思考パターンを繰り返していると、多くの選択肢を閉ざしてしまいかねないという。

そこで、「Good and New」を通じて自分の視点を意識的にシフトしていくことで、あえて良いことや新しいことに着目するようになった。さらに、それらの良いこと、新しいことが自分にどのような変化をもたらしたかを考察することで、日常に喜びとありがたみが溢れるようになった。

過去を手放す

また、「トランジションワークシート」では、自分の今までの人生で体験した数々の内的なシフトを書き出していくという壮大なワークが課された。わたしにはひたすらつらい作業だった。なぜなら、向き合うことを避けていたトラウマがあり、このワークが引き金となって、手放せていなかった感情が記憶の奥底から泥水のようにとめどもなく溢れだしてきたからだ。

Step 3は全7回のセッションのうち4回目において山場を迎えた。参加者一人ひとりが、まだ手放せていなかった過去を解き放つために、なにか象徴的なモノを物理的に捨てるという儀式を行ったのだ。これは感情面においての断捨離に相当する。

あの日わたしが中野にあるコーヒーショップでなにを捨てたのかを、正直思い出せない。涙が止まらなかった。近年稀に見たカタルシスだった。

手放したモノはもうわたしの人生の中には存在していないし、その記憶すら存在していない。だが、一緒に手放した思いははっきりと覚えている。わたしは罪悪感を手放した。

その負の感情を手放せたからこそ、この先自分が幸せになる権利を自分自身に与えることができた。

10年後の幸せのために

なぜ、辛い思いをしてまで自分自身のトランジションを可視化しなければならないのか。Step 3の初回セッションで、ジェレミー氏はこのように説明している。

今までとは異なる成長パターンを選択していくため

これまでの人生においてのトランジションのテーマやパターンを見出すことで、今後のトランジションに変容が生まれてくるというわけだ。

10年後のあなたの人生を思い描いてみてほしい。どのような世界に住んでいたいだろうか?また、どのような感情を味わい、どのような体験を楽しんでいたいだろうか?

この10年後の理想から現在までバックキャスティングした時に、行く先々でその道すじを照らしてくれるのが、あなた自身のトランジションスキルなのだ。

一生モノのスキルセット

Transformのプログラムは、どれも参加して数ヶ月経ってからじわじわと効力を発揮してくる。時間が経ってみないと真価がわからないかもしれない。けれども、いったん腑に落ちると、今後一生使い続けられる人生のスキルを手にすることになる。

Step 3を受講してから1年半が経った今、満たされている自分がいる。

激流を下り、大河に流れ着いた心境だ。流されている今に不満はない。また、流されていく未来に不安もない。

同じ大河に流れ着いた人同士で、関わり合いながら生きている自覚がある。他人にどう思われるかを気にするより先に、相手に手を差し伸べる勇気を出せるようになった。こちらからアクションを起こした結果、邪険にされてももはや気にならない。そのような小さな外的な変化にも対応できるトランジションスキルを身につけられたからだと思う。

わたしはTransform Step 3のプログラムを通じて自分自身を赦すことができた。この恩赦の効力は絶大だ。他人を咎めることも少なくなった。どんな相手にも自分のように諸事情あり、ストーリーがある……、そう思うと、恨むことができなくなったのだ。

具体的には、個人的な関係においてほぼ怒りを噴出することがなくなった。ママ友に不思議がられるほど、子どもたちを叱ることがない。また、仕事関係の間柄においても、イライラしたり、怒ったりすることはまずない。

感情の表出をコントロールできるようになったからこそ、未知なるものへの不安が消えた。どんな変化にもきっと対応できるーー。そんなしなやかな順応力が備わったおかげで、新しいことにどんどん挑戦していける自分がいる。

Transform Step 3に参加できたことを、心からありがたく思っている。


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