毎日10個感謝していることを書くだけで、意外な健康効果が明らかに

皆さんは自分を良い状態に保つために行なっている習慣はありますか?

■毎日ランニングをしたり、筋トレをしたり、良く寝るために布団に入る1時間前はスマホを見ない
■免疫力を上げるために栄養をしっかり摂り(サプリを飲み)風邪をひかない身体にする
■メンタルヘルスのためにヨガや瞑想を取り入れることも

皆さんも、何かしらを実践しているのではないでしょうか?

書籍「ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室 ―― Transform Your Results」でもご紹介し、Transformのセルフマネジメントプログラムでも実践しているある簡単な習慣が、実は意外な健康効果があることが研究で分かっています。

本日はそれらをご紹介するとともに、やり方や実践例もご紹介いたします。

とっても簡単なので、ぜひ皆さんもチャレンジしてみてください。

目次:

  1. 毎日の習慣に:「アプリシエーション・リスト」
  2. アプリシエーション・リストのやり方
  3. 効果
  4. 意外な健康効果:研究データ(The Chopra Foundation)
  5. 最後に

1. 毎日の習慣に:「アプリシエーション・リスト」

アプリシエーション・リストとは、自分のレジリエンス・ゾーン(交感神経と副交換神経が最適なバランスにある状態)を広げ、かつ自分が経験をどのように作り上げているかの気づきを広げるためのエクササイズです。
アプリシエーションとは、ある「もの」「こと」に対し理解し、認め、感謝することを意味します。

2. アプリシエーションリストのやり方

エクササイズはとてもシンプルです。

・自分が大切に思える、感謝できると思えるような「人」「もの」「こと」を思い浮かべ、1日10個書き出します
・同じことは書いてはいけません

たったこれだけですが、1ヶ月続ければひとつも重ならない300項目のアプリシエーション・リストができ上がります

■どのようなことを書くのか?
どんなことでもかまいません。
・いつも支えてくれている家族
・寄り添ってくれるペット
・頼りになる友達
・美味しいお料理を作れるお鍋
・きれいに咲いている花
・失くしものが出てきたこと など

■エクササイズの目的
・悪いことやうまくいっていないことではなく、良いことやうまくいっていることに目を向けること
⇨自分の意識の向け先をシフトし、日頃意識していないことに気づく訓練になる

たいていの人は、4〜5日すると急に書くことがなくなってきます。
自分がアプリシエーションできるものが「もう、見つからない」と感じはじめます(アプリシエーションできるものを簡単に意識できなくなります)。そして、ここからがこのエクササイズの本当の始まりです。

■「意図的に」自分の視点を変え、アプリシエーションができることを自分で探していく必要が出てきます。そして・・・
・自分の意識の向け方がどれだけ偏っていたのか、何に気づいていなかったのかに気づく
・自分の意識の外側にどのくらい大切なものや感謝できることがあるのかに気づく
・当たり前だと思っていたことに感謝できるようになる

長く書き続けていると、このようなことがリストに登場することもあります。
・空気があることに感謝
・電車が安全に走行してくれて会社に無事についたことに感謝

■いつどこでやるのか
いつでもどこでもできます。

■誰とやるのか
ひとりでも、ペアでもチームでもできます。

3. 効果

このエクササイズはレジリエンス・ゾーンに戻ったり、ゾーンを拡大したりする効果もあります。言い換えれば、自分自身の限界や許容範囲、心の広さを拡大できるツールとも言えます。

4. 意外な健康効果:研究データ(Deepak Chopra 他)

【The Role of Gratitude in Spiritual Well-being in Asymptomatic Heart Failure Patients】
(無症状性心不全患者におけるスピリチュアルウェルビーイングの感謝の役割)

対象:無症状性心不全ステージBの男女186名(年齢66.5歳±10歳)

研究内容:感謝、スピリチュアルウェルビーイング、睡眠、気分、疲労、心機能を維持するための自己効力感、炎症の関連性を検討

参照: The Chopra Foundation

*こちらの研究ではアプリシエーションという単語ではなく、全く同じでは無いですが非常に良く関連しているGratitudeという単語を使用しています。
*ここで言う「スピリチュアル」の意味合いは、「自分自身との深い繋がり」をさします。


<研究結果>

相関分析
■Gratitudeはより良い睡眠(r=-.25、p<0.01)、より少ない抑うつ気分(r=-.41、p<0.01)、より少ない疲労(r=-.46、p<0.01)、心機能維持に対するより良い自己効力感(r=.42、p<0.01)に関連していた。
■Gratitudeの気持ちが強い患者は、炎症マーカーのレベルも低かった(r=-.17、p<0.05)。
(炎症マーカーとは:人体が病原体に感染すると、その局所臓器に炎症反応が起きます。その炎症の程度を予想するために測定されるものです。)

◆さらに、スピリチュアリティがGratitudeを通じて有益な効果を発揮するかどうかを調べるために、推定される経路を調べることによって、これらの変数の関係を探った。

結果:Gratitudeの気持ちは、スピリチュアルな幸福感と睡眠の質との関係(z=-2.35, SE=.03, p=.02)を完全に媒介し、スピリチュアルな幸福感と抑うつ気分との関係(z=-4.00, SE=.075, p<.001)にも作用することが分かった。

◆また、Gratitudeの気持ちは、スピリチュアルウェルビーイングと疲労の関係(z=-3.85、SE=.18、p<.001)、スピリチュアルウェルビーイングと自己効力感の関係(z=2.91、SE=.04、p=.003)を部分的に媒介することがわかった。

◆以上より、Gratitudeとスピリチュアルウェルビーイングは、より良い気分と睡眠、より少ない疲労、より多くの自己効力感と関連しており、Gratitudeはこれらのエンドポイントに対するスピリチュアルウェルビーイングの有益な効果を完全にまたは部分的に媒介していることが報告された。Gratitudeの気持ちを高める努力は、心不全患者の生活におけるウェルビーイングを改善する治療法であり、臨床的価値がある可能性がある。


5. 最後に

この研究結果がなぜ興味深いかというと、感謝の気持ちが体の炎症にまで良い影響を及ぼしていることではないでしょうか。

==◆==
<炎症についての豆知識>
炎症はが起きる方法は大きく分けて2種類あります。(参照:自然免疫応用技研株式会社
1、外傷がある・感染症にかかっているとき
2、感染症にかかっていないとき
細胞や組織がストレスにさらされたり傷ついたりした時にも、感染症にかかった時と同じように炎症反応が起こります。
このような、感染症ではない、“体の中の成分に対する炎症”を「自然炎症」といいます。異物の排除がうまく行かず、この自然炎症が慢性化すると、自己免疫性疾患やアレルギー性疾患をはじめとする免疫難病や、ガン、糖尿病などの生活習慣病といった様々な疾患を引き起こす可能性があると考えられています。
==◆==

また、アプリシエーション・リストを習慣化することで、レジリエンス・ゾーン(交感神経と副交換神経が最適なバランスにある状態)に戻ったり、ゾーンを拡大することにつながる他、免疫力アップにもつながることが分かりました。

実際に、Transformのプログラムの参加者にも、上記の研究結果に似た結果を経験している方が多くいらっしゃいます。

恐怖や不足ではなく、感謝する対象に意識を向けるだけで、どれほど周囲が素晴らしいか、どれほど自分が支えられているか、そしてどれほど人生が魅力的になりうるか、見えてくるはずです。

ぜひ今日から始めてみてはいかがでしょうか?


さらに詳しく学びたい方はぜひTransformのプログラム、または書籍をご覧ください。

【Transform プログラム】
Peatix上で現在申し込み受付中のプログラムをご覧いただけます。

【書籍】
「ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室 ―― Transform Your Results」

著者:ジェレミー・ハンター、稲墻聡一郎

<目次>
第1章 なぜいまセルフマネジメントなのか
第2章 セルフマネジメントとは何か
第3章 土台をつくる――ストレスと休息
第4章 神経系のマネジメント
第5章 マインドレスネス
第6章 望んでいない結果を変える
第7章 IRマップで望む結果を手に入れる
第8章 変化を前提に生きる

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