【認定ファシリテーターインタビュー】白井剛司さん

Transformの活動も丸5年が経ち、一緒にセルフマネジメントを広めてくれる仲間が増えました。

認定ファシリテーターの一人、白井 剛司さんが、メンバーになろうと思った経緯、セルフマネジメントの知識を深め、伝える立場になりたいと思った経緯など、インタビュー形式でご紹介します。

ぜひ、今後の白井さんによるセルフマネジメントの進化も楽しみにしていてください!

認定ファシリテーター:白井剛司さん

これまでの経歴など、簡単に自己紹介をお願いします

大手広告会社で29年間働いてきました。内向的な性格だったことから、前半のキャリアの広告現場ではストレスも溜まって30代前半でメンタルダウン。4年間ほど休暇を取ったり組織の異動を重ねたりといった時期を過ごして、自分としては“お先真っ暗”、自分のキャリアはもう終わりだなぁと考える期間がありました。

ある時、上司から勧められて人材育成のキャリアがスタート。意外なことに自分にあった世界で、OJTやマネージャー支援ほか幅広く経験を拡げることができました。その後、OJTの書籍を出版し賞を受賞。仕事の機会が広がり、その後16年間があっという間に過ぎました。

40代半ば、元々自覚していた「悩みやすさ」や「心の弱さ」をなんとかしたいと思い、瞑想(ヴィパッサナー瞑想)世界の探求が始まりました。

そして、2022年の春に広告会社を退社しました。
現在はマインドフルネスを教えること、家族と一緒に神奈川県秦野市の農地で食、農業体験、マインドフルネス、アウトドアなど6つのテーマの経験・学びを提供する場・コミュニティをスタートさせて活動中です。

あなたとTransformの出会いは?

人材育成で経験を積んでいた私は、この世界に向いていると思ってから様々な社外コンテンツ(研修やプログラム、ワークショップ)などを受講しまくっていました。そんな中、会社の先輩にTransform(ジェレミーや稲墻さん)を紹介され、体験プログラムを受けました。
その頃私自身が瞑想を本格的に実践・練習し始めていたので、「マインドフルネス」とは違った目的、展望を持った「セルフマネジメント」に惹かれ、一気にこの世界につながっていきました。

2017−2018年のタイミングで、Step1〜3を一気に受けました。
当時は慢性的な繁忙を抱え、ずっとレッドゾーンにいました。瞑想も高い効果を実感していたのですが、瞑想で得た恩恵を全て成果の<量>に向けた結果、繁忙、プライベートの不安定さ、非常に困難な状況が続き、いろんな内省の場に参加しても自身を責めたりする、そんななかでTransformのコンテンツに触れていきました。

セルフマネジメントの知識を深めたい理由は?

マインドフルネスについては、ビジネスシーンでの応用は自分の経験から有効であることは実感していましたが、人材育成の観点から見て難しさがありました。たとえば、「効果・成果を感じるまでに時間がかかる印象」「効果・成果自体が説明されていない事が多い」「ビジネス成果との関連性を避ける世界観(理由もあり仕方ないことではあると理解していますが)」など。
しかしながら、Transfornで伝えている「セルフマネジメント」の実践は、マインドフルネスで扱われた内容を含みつつ、さらに幅広い領域かつ現代風に仕上げられています。
常々、一番マインドフルネス(心の扱い方)の良さを一番伝えたい、複雑・タフな今の環境を意図をもって生きていく人に対して伝えたいものの、一方でそのままでは届いてほしい人たちに届きにくいという難しさを感じていましたが、「セルフマネジメント」という考え方は同じ目的が果たせると思いました(今、私は人・置かれた状況に応じてセルフマネジメント、マインドフルネスを紹介しています)。

セルフマネジメントを伝えたいと思った理由は?

私が伝えたいビジネスパーソンについて考えると、今はかつての職場と違って本当に複雑かつ、タフになっていると考えます。
私はよく、この状況について操縦桿を握るパイロットに例えるのですが。
今の状態は例えるなら計器自体に信頼がおけず、操縦するパイロット自身も不安と疲弊の中で最適な選択や意思決定と行動を求められる、非常に難しい状況と言えます。

大切なのは、「今、何が起こっているのか?」を体験的に理解することですよね。まさに操縦桿は「自分」の象徴です。やりたいことを意図して、今何が起きているかをモニタリングして、複数ある選択を手に持って、瞬間に最適な判断を下して、ベストを尽くして行動していく事が大切ではないかと思います。
Transformで大きな存在のP・F・ドラッカーは、「まず自分をマネジメントできなければ、他者をマネジメントすることはできない“You cannot manage other people unless you manage yourself first.”」というメッセージをのこしていますが、自他を、より望ましい状態に変化させていく。それが体系化されているのがTransformが提唱する「セルフマネジメント」の魅力であり、余裕が無いビジネスパーソンに広めたい理由です。

Transformのプログラムに関わっていて、自分の人生が変わったこと

私が変化を感じていることはたくさんありますが。象徴的なのは、ジェレミーから「いいこと」を30個毎日書きなさいといわれてワークを行った経験があります(2007年頃)。
これを愚直に実践しました。当時はいわゆるネガティブ思考の極み。でもこれを毎日継続してくると変わってきます。
この練習は、「ネガティブ思考がポジティブ思考になった」ということではなくて、「どんな悪い状況であっても、何か良いことも起きている」「悪い方向にばかりアンテナを張っている自分に気づく」ということで、これが自覚できるようになると、心配性やネガティブ思考であっても解釈や行動に選択が生まれる、ということです。今は「レジリエンス」という言葉がありますが、まさにそれを培った時間だったと思います。
最初は1時間以上かけて探していましたが、やがて短縮されていきました。つまり、「よいこと」が見つけやすくなったのです。アンテナや景色が広くなる。それは本当に大きな事だと思います。

今後どんな活動をしたいと思っていますか?

2つの活動をスタートさせました。
一つは、これまで一番注力してきた「心を扱うこと」です。ビジネスパーソンに「セルフマネジメント」と「マインドフルネス」の2つのOSの視点や技術を伝えています。忙しい日常の中で自分らしい生き方を探索している人たちに向けて伝えています。

もう一つは、弟が中心となって家族で取り組んでいる、神奈川(秦野)のプロジェクトです。「ROKKAN(ロッカン)」と言います。これは五感(目・鼻・耳・舌・触覚)に対して、六番目の感覚として「心」があるという考えに基づいています。私の役割は全体の企画・プロデュースであり、その役割に加えて、この場所でセルフマネジメント&マインドフルネスのプログラムを広めていく予定です(他にも、食、働、学、創、遊などのテーマを企画中です)。

体験や学びを通じた仲間とのコミュニティとして、色々な個性・様々な心身の状態の人たちが混ざり合って、一緒に身体を動かしたり、学んだり、対話して、癒やすだけではない、居ると心身のエネルギーがチャージできる、そんな場として育てていきます。

どのコンテンツが好きですか?また好きな理由は?

●リソーシング
「伝える立場」として、よく紹介しています。心や身体を整えることを人に伝える上で、特に経験が浅い人に伝える際に力強いもので、好んで紹介しています。参加者自身の記憶や思い出にアクセスする体験です。それが参加者に対する優しさ、尊重している感じがあって、そこが好きです。

●Tracking
リソーシングと同様で、とてもユニークかつ今の会社組織では採用されていないワークです。自分に起きた苦手な経験などを思い出し、その時に起こる身体感覚に注目するワークです。実践を続けることで自分に起きる反応を受け入れ、反応を和らげることもできるようになります。
一般的なビジネスシーンでは、嫌な経験に対する不快な感覚に無自覚です。無意識的に嫌な経験を我慢したり(抑圧)、発散して関係者に感情をぶつけてしまい、望まない結果や関係性になっていることがあります。。
このワークはそうではなく、抑圧と発散の間でエネルギーを解放して、自分の困難な状況への受容力、統合力を高めるような、そんな行為と捉えています。

認定ファシリテーターになってよかったことは何ですか?

Transformは、今まで私が取り組んで来た企業内人材育成の世界観と異なった取り組みをしています。新しい事への好奇心を尊重し、しっかり成果につなげる。でも、自分のコンディションをいい状態でキープする(自分の状態につねに自覚的でいる)。関わる人たちは、フラットでいい意味で他者との心地よい関係(つながりがありつつスペースもある)を保てる人たちです。
私はいつも「自分はそこに合った存在なのか?どうなのか?」を考えてしまいがちですが、少しずつ馴染んでいけるといいなと思って参加しています。
近いうちに、Transformのコンテンツを私が伝えたいビジネスパーソンに向けて広めていけるように、あゆみを進めていくのを楽しみにしています。

今一番したいこと、私のここだけは知っててほしい!

長年勤めた会社を辞め、その後約3ヶ月間ハワイに行って、リフレッシュとこれからの人生を考える時間に充てました。今はハワイでリストアップした複数の活動、そのプライオリティに基づいて活動しています。最初はつくったリストの順番に自分自身が驚いたし、不安もありましたが、この関わり自分で継続してきたことをベースに、やりたい2つの活動(+新たな趣味のサーフィン)を楽しんでます。
私はこれまで、「一つのことに集中して努力を積み重ね、成功や達成するまで頑張る!」というスタイルを貫いてきました。でも、これからはそういった生き方は少し変えて、楽しさを感じながら、喜びや色々な気持ちの種類を味わいたいと思っています。禅の世界で「Beginner’s Mind」という言葉があるのですが。最近はそれが気になっていて。今・この瞬間瞬間の楽しさ・喜びに気づきながら生活していけるようになっていきたいですし、さらにその体験を人に伝えていきたいです。


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