参加者インタビュー:強靭でどんなことにも耐えられる武器を手に入れた
「Transformのプログラムに参加して、どんな新たな選択肢がうまれたのか?どんな変化が起きたのか?」は人によって違います。そして、「自分で新たな選択肢を生み出せるようになる、結果を変えられるようになる」と言っても、イメージがわかないというご意見も頂きます。
そんな疑問にお応えするために、プログラム参加者のリアルな体験や変化をインタビュー形式でご紹介します。
シリーズ第3弾は、「強靭でどんなことにも耐えられる武器を手に入れた」という大手専門技術・サービス会社勤務S.Y.さんのストーリーをご紹介します。
強靭でどんなことにも耐えられる武器を手に入れた
S.Y.さん
大手専門技術・サービス会社勤務
受講を決めたとき、あなたの人生にはどんなことが起こっていましたか?
ちょうど営業からソリューション系の部門に異動し、イノベーションを起こすための仕事に変わった時でした。会社からは「イノベーションを起こせ」と言われるものの、前例もないし何をして良いかわからず、もがいていました。「このままだと前に進めない」という重さやプレッシャーを感じ、そもそも自分に何ができるかも見えてきませんでした。
そんな状態が続き、自分自身のアイデンティティも揺らいでいました。それまでの人生は、なるべく波風を立てないように人当たりがよく、優しいイメージを持たれるように生きてきて、ある程度成功してきましたが、このやり方ではもう前に進めない感じがあって。昔は「自分のことを自分の言葉で語れていた」感覚がありましたが、社会人の経験を重ねるうちに、周りのことばかりを気にしてしまって「自分の言葉」そのものがなくなっていたようにも思います。
そんな時、稲墻さん(Transform共同経営者/パートナー)に会って「ドラッカーの5つの質問」(*)の話になって。この会話が自分にとっての大きなキッカケとなりました。5つの質問はパワフルだと直感的に感じたけれど、自分では明確に答えられませんでした。「そりゃ自分の言葉で語れないよな…」とも思いました。
そこで、まず自分自身に目を向けることから始めようと思い、3時間のStep 0に参加してみたら、「これはやっぱり今の自分に必要だぞ」という感覚がありました。ですので、Step 1[セルフマネジメント]も自分のためにやってみようと決心し、勇気を出して妻に話してみました。もちろんお金もかかるし、たぶん反対されるだろうなあ…って内心思いながら。
そうしたら、「自分のためならやればいいじゃない。やりなよ!」ってサラッと言ってくれて。「妻に反対されるんだろうな」と勝手に思い込みの妻像を作っていたことに愕然としながら、そして妻のサポートに感謝しながら、自分の将来に必要なプログラムだと思って参加しました。
参加して何が実現しましたか?
プログラムを通してまず気づいたのは、「人はそれぞれ考えていることが違う」、そして「そもそも違いがあって当たり前だ」ということ。同じことをやっていても、人は自分とは違う景色を見ている。けれども、多くの状況で「あいつも自分と同じ景色を見ているはずだ」と思い込んでいる、ということに気づきました。
今ではチームを前に進めるために、メンバーに自分なりの意見やイメージを書いてきてもらい、お互いに共有しあう時間を定期的に作っています。そして、それぞれの視点で自由に答えてもらっています。
今取り組んでいるような新規事業を立ち上げていく時は、「自分たちは何者か?」「自分たちは何を望んでいるのか?」という問いが特に大事だと感じています。ドラッカーの5つの質問にもある、「この新しいアイデアは誰に売るのか?」、「本当にお客さんがいいと言っているのか?」、「お客さまが得たい本当の価値は何なのか?」などの問いを深めるための軸になる問いとして、重宝しています。
Step3[人生におけるトランジション(転換期)]での学びも大きかったですね。この2年間、セルフマネジメントやトランジションに向き合ってきたことが、いまボディブローのように効いてきている感じがします。
例えば「やらないことを決める」ことの重要性。今まで、「何か新しいことをやる」けれども「過去の慣習はやり続けなければいけない」と思い込み、身動きが取れなくなっていました。けれども、やらなくて良いことや、すでに機能しなくなった思い込みを「やらない」と決めて、手放す。そうやって今まで当たり前だと思っていたことを「やめてみる」ことが、仕事でも前に進める大事な要素だということに気づきました。
リソーシングは毎日やっています。会議の前後や寝る前、お風呂に入っている時、歩いている時など、「違和感があるな」と感じる時はリソーシングをやっています。
これまでは、来た刺激に対して瞬間的に反応してきました。抵抗したり、イライラしたり、無視したり。サバイバルのために脊髄反射していた感じでした。今は、自分を落ち着かせて自分の中にスペース(余白)を持つことで、その時に起きていることを冷静に受け入れられます。もしくは、抵抗している自分に気づけます。
また、IRマップも日常で使っています。上手く物事が進む時も進まない時も、自分が意識を向けている先(attention)があって、その延長線上で何かしらの結果を得ています。何かうまくいかない時には、どこかで結果を得られない選択をしています。「そもそも何が正しいと思っていたのか?」、「どんな選択肢があったのか?」、「どんな思い込みで行動していたのか?」、「違う見方をしてみたらどんな選択肢がみえてくるか?」など、IRマップがある事でどんどん問いかけられるようになりました。
この問いかけをする時には、自分自身にスペース(余白)がないとアイデアは浮かびませんし、人の意見を聞き入れることもできません。こうやって以前に比べて「自分の良い状態」を知りながら、IRマップで「いま起きていること」が分析できるようになったから、選択肢や戦略のオプションが増えたんだと思います。
実際に効果が出た身近な例はダイエットかもしれません。食べちゃダメだ、体重を減らさなくちゃって我慢するのはキツいですが、「やっぱり健康的でエネルギー溢れる自分でいたい」というクリアな意図があれば、「それなら胃も休ませてあげないとな」、「こうやって食べない自分もクールだな(笑)」と思えて、お腹が減っている自分を受け入れてあげられるんです。今では月曜断食を続けていますし、ダイエットを始めてから7〜8キロ痩せました。これもIRマップのおかげです(笑)。
Transformのプログラムやワークによって、あなたの内側/外側で何が変化しましたか?
勇気のないおじさんが、勇気を出して新しいところに足を踏み出すことができるようになりました(笑)。そして、自分にばかり向いていた意識が、自分以外の人に向くようになりました。
以前は「自分は他人からどう見られるのか?」、「失敗なんてしたくない」と自分自身に矢印が向いていましたが、「自分が人からどう思われるか?」はどうでも良いと思えるようになったのは大きな変化だと思います。
あと、何事も「やってみて体験して、そこから何かに気づいて学ぶ。その繰り返ししかない」って素直に思えるようになりました。なので、何かに失敗したとしても「殺されるわけじゃないし、前に進もう!」と今では思えます。
以前に比べて怒らなくなったし、柔らかくなりましたねって言われるのも変化かもしれません。怒ったところで良い結果なんか出ないことに気づいたんです。「この人はなぜそんなことを言うのか?」と自分がイライラするよりも、他人の方に興味を持てるようになりました。興味を持てると、実際に「何でそう思ったの?」と聞いてみることができる。そして実際に聞いてみると、「そうなんだ、自分と全く違う視点だ!」、「それならこういう選択もあるんじゃないか?」と、より現実的で前向きな会話ができるんです。
「新しいことをやり始めるのは、いつからでも良い!」と思えるようになったのも大きな変化です。新しいことを始めるのに対して、前まではプレッシャーや抵抗が先行していました。エネルギーが必要だし、失敗するのも嫌だから。けれども、それがなくなりました。過去にできなかったからといってまたできないとは限りませんし、「自分はできない、今後どうなるかわからない」など、将来ばかりを心配していても仕方がない。
まずはやってみないと、将来は変わりようがありません。結局は今にフォーカスするしかないんだな、と素直に感じられるようになりました。
だからかもしれませんが、怖いものが少なくなったようにも感じます。例えば転勤があったとしても、悲しいことがあったとしても、その瞬間の自分をコントロールすれば良いんだなと。「今、オレは悲しんでるんだなぁ」と気づいて、シフトする。悲しみそのものはなくならないけど、そこにスペースを作ってあげることはできる。こうやって、「受け流す」「受け入れる」ことを知ってから、メンタルの落ち込みが続かないようになりました。これも得たものの一つで、今まで話したものをひっくるめて「相当な武器を手に入れた」という感覚があります(笑)。
さらに、強みにフォーカスするようになったのも、変われたことの一つだと思います。「できていること」や「変えられること」に意識が向くようになりました。「自分が変えられること」はすぐに実行に移せるし、「変えられないことに注力していても仕方ない」と思えるようになりました。
多くの人は「課題や問題は何か?」、「できなかったことは何か?」にフォーカスして、プロジェクトやミーティングが滞ってしまう。「なんでできなかったのか?」なんて、実は聞いても仕方がないんですよね。それよりも、終わったこと、良い結果が出ていないことを認めながら問いかけていくようになりました。
例えば「やってみて自分ではどう感じた?」、「次にどんなことができそう?」、「どこに意識を変えると良いと思う?」など、一緒に考えて、同じ目線で意見を言い合えるようになって、ただ上司の立場として「ああしろ、こうしろ」と言わなくなったと思います。あくまで主観なので、部下がどう感じているかは分かりませんが(笑)。
自分もそうですが、人は自分が腹落ちしないと変わりません。なのに、相手を変えようとエネルギーを浪費してきたように思います。
それよりも、「その人が見えていなかった何か」に気づけるように、自分が心を砕き行動する。マイクロマネジメントではなく、「どうやったらやりたいと思ってもらえるようになるのか?」に意識を向ける。「こいつを変えてやろう」から反応すると失敗するんです。「自分が、その人がどうしたいのか?」「何をやり遂げようと思っているのか?」に意識を向ける。それを続けようと心に決めています。
Transformが生み出している価値は何だと思いますか?
前にも言ったとおり、私はTransformのプログラムを通して、人生における強靭で、どんなことにも耐えられる武器を手に入れた感覚があります。「耐えて、我慢して、それでも頑張る」のような過去に教えられてきたやりかたではなく、上記のような全く新しいやりかたで。
研修だとすぐ忘れるし、そもそも続きません。その場限りになります。しかし、Transformは「続けないと意味がない」と明確に伝えてくれるし、その「続けかた」を教えてくれます。多くの人がぶつかってしまいがちな壁を教えてくれますし、その壁を乗り越えるためにサポートしてくれます。何より、「続ければ変わる!」ことを教えてくれます。そして大事なのは、スピリチュアルな要素ではなく、日常のリアルな場で実践できることを教えてくれます。
今では他人のために何かをすることが自然にできるようになりました。「自分が他者からどうみられるか?」ではなく「自分がどうしたいか?」に意識を向けられるようになりました。以前は人からありがとうと言われるために他人に働きかけていましたが、それは「自分の望む結果」ではないんですよね。意図を明確にして、自由さを持ちながら選択肢を生み出せるようになる。これは一つの価値なのではと思います。
今日改めて振り返ってみると、色々と実現できていることに気づきました。定期的に振り返ったり、口に出してアウトプットするって、大事ですね(笑)。
―了―
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