【イベントレポート】有松体験リトリートセッション 第1部

Transformのセルフマネジメントスキルと、400年以上の歴史がある伝統工芸「有松絞り体験」を組み合わせた新しい取り組みを、参加メンバーを限定した形で実施しました。

私たちTransformのプログラムでも度々お話しする「瞬間に意識を向ける」と「体験は自分でつくり出している」がキーワードとなった今回の「有松絞り体験リトリートセッション」。どのような思いで開催にいたったのか、また、どのような学びや気づきがあったのか、実際の体験を通してご紹介します。

 

イベント開催の背景

2022年3月21日に開催された「有松日本遺産記念シンポジウム」において基調講演を行なったジェレミー・ハンターが、日本の誇るべき伝統工芸である有松絞りとセルフマネジメントを融合させる体験型ワークショップを企画し、ジェレミーの来日に合わせて今回のイベント実施となりました。

【イベントレポート】有松日本遺産記念シンポジウム

Transformのセルフマネジメントプログラムでは、「自分の体験は自分がつくっていることに気づく」「自分に起きていることへの気づきを高める(瞬間に意識を向ける)」ことで選択肢を増やし、望む結果につなげるスキルを実践的に学びます。

一方、有松絞りは400年以上の伝統を受け継ぎながら、次世代へどう繋げていくかを模索している染織の伝統工芸。瞬間瞬間の体験を通して、一つの染め物が出来上がっています。

 

有松絞りとは

 

有松絞りは、400年以上歴史がある伝統工芸です。

有松は名古屋市内にありながら江戸時代の面影を残す街ですが、実はあまり多くの人に知られていません。江戸と京都を結んだ旧東海道の茶屋集落で、絞り染めの産地として栄えました。絞り染めは、伝統工芸として今も受け継がれています。

有松絞りは布を糸で絞った後、染色します。染色後糸を解く瞬間にならないと、その完成した姿が見えません。糸で絞る前に結果をイメージしつつ、さまざまな技法を使ってそのイメージに近づけるため、工程一つ一つで仕上がりが変化します。

染色家の藤井祥二さんの話によると、イメージにはなかったシワの線が入ることもあるそうで、その想定外の出来栄えも有松絞りの面白さだと言います。

 

学び~Expanding Awareness(認識を広げる)~

今回のテーマは「Expanding Awareness(認識を広げる)」

日々の喧騒を離れ、非日常の体験から、どのように自分の認識を広げるかがテーマ。認識を広げるとは、例えば自分が無意識に持っていた思い込み、意識の向け先、身体感覚に気づくことです。認識を広げることができると、自分で新たに選択肢を新たに生み出すことができ、行動を変えることにつながります。今回のような特別な体験を通して、自分の癖や傾向に気づき、自己認識(セルフアウェアネス)の力を高めることが、今回のねらいでした。

大人になってから、こんなに一つの物事に没頭し楽しんだのはいつぶりだろう・・・という感想も聞かれた2日間のセッション。普段はすぐに手が伸びるスマホやPCにも意識が向かず、今回は皆さんが絞り体験に没頭していることにも驚きました。まさにデジタルデトックスであり、いかに普段私たちが無意識にスマホやPCに手が伸びている自動操縦(オートパイロット)状態で生活しているかにも気付かされました。

今回のような体験をこれからも個人・企業の皆さまに提供できるように、Transformでは引き続き企画を考えていきますを続けています。

どのような体験内容で「認識が広がる」経験ができたのか、参加者の声は第2部をご覧ください。