【イベントレポート】有松体験リトリートセッション第2部
参加メンバーを限定した形で行われた「有松体験リトリートセッション」。イベントレポート第1部では、Transformのセルフマネジメントスキルと有松絞り体験を組み合わせた新しい取り組みをお伝えしました。今回の第2部では実際に行った体験内容を詳しくご紹介します。
体験セッションDay1
次世代の有松絞りを担う、染色家の藤井祥二さんによる有松絞りに関する話からセッションは始まりました。有松絞りの技法や実例、藤井さんの素敵な作品の紹介など、非常に興味深い話ばかり。
その後は、「あないびと」と呼ばれる有松の街ガイドによる、紙芝居で語る有松の歴史。この紙芝居は手書きで、語られる歴史や文化はとても味わい深く、有松絞りの魅力により一層引き込まれました。
参加者の興味関心が高まった後、藤井さんに有松絞りの基本型を教えてもらい、実際に自分たちで作品をつくる時間になりました。
創意工夫をしながら手を動かし、わからないところは藤井さんに質問し、参加者一人一人が自分のペースで有松絞り体験しました。
〜参加した子供たちから学んだこと〜
とにかくやってみる子供たちと、頭で考えすぎて前に進めない大人たち
今回のイベントには、子ども達も参加していました。完成形ややり方を納得いくまで考え、それが出来上がるまでは行動に移さない大人に対し、子供達は「とにかくやってみる!」のマインドで、どう絞ったらどんな模様になるかを感覚的に身につけていました。一つのやり方に固執せず、新たなやり方を試し、自分でどんどん選択肢を生み出しながら自分の作りたいイメージに近づけていく子どもたちの姿に大人は衝撃を受け、いかに思考優位で日常を過ごし選択肢を狭めているかを痛感しました。
イベントテーマは「Expanding Awareness(認識を広げる)」
書籍「ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室」で紹介している「IRマップ(Intention Result Map)(P163~)が今回の絞り体験にも有効だ」という声もありました。
イメージ通りのものが作れなかった場合、自分の中にどのような思い込みがあって、どんな感情や体の反応があってその結果に繋がっているのかに気づく。もし自分の中に「聞くのが恥ずかしい」「自分で何とかしないと」「完成形のイメージがないと行動してもうまくいかない」などの感情や思い込みを持っていたとしたら、その中の何かを変えなければ、同じ望まない結果を繰り返すことになります。
そこで、「まずは聞いてみる」「誰かに手伝ってもらう」「あまり考えずにとにかく手を動かしてみる」など、いつもと違うことをやってみることを通して、結果が変わることも実感出来ました。
体験セッションDay2
Day2は前日の体験を活かして「瞬間」をテーマに自分なりの作品を作り、その作品についての意図やストーリー全員の前でプレゼンする日でした。
参加者それぞれが考える「瞬間」を有松絞りで表現する。言葉ではなく形にする、ことで、参加者一人一人の視点や特徴が引き出され、その面白さを共有しあえたように感じます。
自分の意図を初日と変えず前日に教わった技法を自分なりに深めていく人もいれば、やり方をガラッと変えてトライアンドエラーを繰り返しながらイメージに近づけていく人など、その人の個性が制作過程に顕著に現れていました。
意図する模様に近づける
前述したように、この作品を作る過程ではIRマップの考え方が非常に有効でした。自分の意図(どんな作品にしたいか)があり、時間もリソースも限られている中でどんな選択肢を自分がつくり出せるのか。
想定外の模様が浮かび上がった時、どこに意識を向け直せば意図する模様に近づけるのか。自分なりの絞り体験を楽しみ、作業に没頭しながら、望む結果(意図)に近づけていく。そんな時間が過ぎていきました。
午後3時からは、できた作品を並べて1人ずつ自分の「瞬間」をプレゼンする時間でした。一人一人がプレゼンをした後、他の参加者が感想や気づきを伝えつつ藤井さんがプロの視点でフィードバックします「少し意図したものとは違うんですが・・・」と話す発表者の視点も、藤井さんの視点からみると、「この想定外や意図からズレたポイントがあるからこそ、この作品に味わいを出してくれていると思いますよ」というコメントも出てきました。自分で描いた完成形(意図)とは違うけど、それがむしろ良さとなっていると思えるようになると、自分の中でもその作品に対する意味づけが変わり、より親しみを感じられる。そんな体験もあったように感じます。
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参加者の声